何となし日記

夜あたたかいものを飲みながら何とは無しに綴るブログ。

平成生まれが改元に思うこと

元号が「令和」に決まりましたね。

 

どんな元号になってもどうせそのうち慣れるだろうとあまり注目していなかったのですが、いざ発表されると「れいわ・・・れいわ・・・」と口に馴染ませるように声に出してしまいました。

 

どこから出た情報かは知りませんが、事前に出ていた候補や予想を、いい意味で裏切られた感じがあります。

ニュース番組などで新元号予想で挙げられていた「安久」などは無難で古臭く、いかにも歴史の教科書に出てきそうな気がしますが、「令和」はなんだかとても斬新でかっこいい響きがします。

 この新しい響きがする「令和」は、万葉集からの引用や「令」の文字の使用など、歴史上初のことが多いとのこと。

実際に今までにない新しいものであったのですね。

 

 

SNSなどで新元号についての感想を眺めていると、「冷たい感じがする」「命令されているみたい」というものがちらほら見えました。

確かに冷たいという漢字のつくりはこの令ですが、他にもこのつくりの漢字は

玲瓏の「玲」や怜悧の「怜」などがあります。

 

コトバンクによると

「玲」は 玉の涼しげに鳴る音の形容。また、玉のように美しいさま。

「怜」は 賢い、利口な。

 とあり、どちらも人名用漢字です。

 

また「令」の字そのものについては文脈によって意味合いが変化し、「命令・伝令」などの言いつけの意味や、「法令・条例」などの掟の意味、「令色・令名」などの良い・立派なという意味、「令嬢・令息」などの敬称としての意味など様々あるようです。

 

おそらく現代では命令の令という使い方が一番多く、思い浮かび安いのがこのイメージなのだろうなと思います。

私自身もこの時を見たときにちらりと命令の令の字だと浮かびましたが、それ以上になんだかクールな印象を持ちました。

たぶん「冷」のイメージからきているのでしょうが、「玲」や「怜」などの漢字にも使われるつくりですからcoolというイメージも外れてはいなかったようですね。

 

 万葉集梅の花についての一節からというのもなんだか花やかな雰囲気があります。

「時に、初春の令月にして、

 気淑く風和らぎ、

 梅は鏡前の粉を被き、

 蘭は佩後の香を薫らす」  (Wikipediaより)

 

初春の和やかな日を描いたこの一文からはとても明るい感じがします。

この引用もとのことを知ると、冷たいどころかとても暖かで麗らかなイメージが湧いてきますね。

 

 

ビジネスのシーンなどでよく、元号は面倒なばかりだから西暦に統一して和暦をなくしてほしいという意見がちらほら見受けられます。

確かに西暦は毎年一つ進むだけですが、和暦はとっさに換算できないことが多く書類のレイアウトをいちいち変えなければならないという手間もあります。

しかし私は元号はこれからも続いていってほしいなと思います。

干支のような位置付けで、住民票や銀行口座の開設時の簡単な本人確認に使うくらいで、でも誰もが自分の生まれた和暦を把握しているような。

ビジネスでは西暦表記が一般になれば会社がてんやわんやすることも少なくなると思います。

今回新元号の公表と改元の間に1ヶ月の猶予があることで、企業や役所は混乱が少なく済んだだろうと思います。

また生前の譲位のため、新元号の公表が喪に服し沈痛な雰囲気ではなく、まるで新年を迎えるかのような明るい気持ちで迎えることができるのもとてもいいなと思います。

それに、ある程度区切りがある方が、振り返った時にどのような時代であったかがわかりやすいなと思うのです。

 

天皇陛下が昨年のお誕生日の際に「平成という時代が戦争のない時代として終わろうとしていることに、心から安堵している」と仰っていたとどこかのニュースサイトで見ました。

平成の時代しか知らない私にとって戦争はとても遠くにあり、同時に、想像するだけでも不安や悲しみが湧いてくるような恐ろしい存在です。

天皇陛下のこの言葉は、戦後の昭和時代も生きてきた陛下にとって、戦争のない時代であることがなによりの願いだったのだろうと想像できます。

 

令…良い、立派な

和…なごやか、争いをやめること

 

 元号は時代に込める祈りであると思う平成生まれは、初めて迎える改元を前に、

次の時代も戦争のない平和な時代であることを、さらに明るい時代にしていけることを願います。

 

 

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